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ナツメの技術力

ナツメの技術者たち

取締役工場長 吉村今朝夫

取締役工場長 吉村今朝夫

オイルショックの影響が色濃く残る昭和51年に入社しました。昭和29年生まれですから、日本人の生活様式や経済状況が大きく変わる真っ只中を生きてきた感じです。元々は鋳造、つまり鋳物が専門ですが、ナツメに入社してからはフライスなど機械加工全般に精励してきました。はじめの頃はお客様の要望に応えようと必死で、難しい注文や時間的にまったく余裕のない仕事もたくさんありました。がむしゃらだったと思います。できないのではなく、どうしたらできるか一生懸命考える習慣は追い詰められた状況から生まれたのかもしれません。今は工場全体をみる仕事ですが、技術者や職人に競争心やこだわりがあるのは当然。個人個人の仕事の見立てや発想、方法論などがあってしかるべきだと考えています。一人ひとりが、『自ら考え決断をして行動に起こせる技術者』『作業者ではなく、考えて実行できる技術者集団』であるためにも、個性や個々の方法論を尊重していきたいと考えています。確立した作業工程があったとしても、『他にもっと効率的で早く、さらに正確なやり方がありはしないか』と考え、製造過程をトータルで、つまりワンストップで作りあげられる本物のテクノクラートが育ってほしい…。その伴走役になれればと思っています。技術には終わりはありません。加工の難しい銅を専門とすることだけでも特異性がありますが、さらにマニュアルがないことが『挑戦する技術者集団・ナツメ』の生命線です。これからも新しいことにチャレンジし続けるナツメの文化を継承していきたいと考えています。

資材課 課長 丸崎伸一

資材課 課長 丸崎伸一

すべての材料管理と材料の受発注をコントロールしています。また、細かい加工に入る前の材料切断も資材課の業務です。同じ仕入品のなかでも、現場で違和感があれば直ぐに対応し、現場の声を活かす材料管理を徹底しています。銅は非常に高価な材料なのでムダにはできず、切り方ひとつでも工夫を重ね、どれだけムダを省けるかを常に念頭に置いています。1日2万個、3万個の製品を造り出すとなると、コンマ1ミリでもムダにすれば全体では大きなムダになります。品質管理の要点であるムダ取りは、資材課のレベルではとくに重要事項です。柔らかくデリケートな素材ですので、少し接触すればへこみますし、表面が綺麗な製品ですから、脂の多い指で触れば曇るし酸化します。そのために銅の扱いは丁寧にならざるを得ません。資材課の前には、全部の加工現場をひととおり経験しているので、どのような材料が加工に適しているかをよくわかっていることは強みです。銅の仕入れには為替のタイミングなどもあり、市場の動向を見ながら慎重に仕入れています。定番の製品は造り置きが可能ですから材料の仕入れにも一定の予測がつき、欠品が起きないように注意すればいいのですが、特注品はそのつど形状から大きさまで違いますから、材料の仕入れには柔軟性が要求されます。15年ほど前までは、完成品を造ったときが納期という状況だったのですが、最近では短納期がほとんどで、そうしたお客様の要求にもスムースにお応えできる体制を整えています。

製造1課 高津国広

製造1課 高津国広

旋盤を担当していますが、この業務に携わるようになって8年になります。旋盤とは、ひと言でいいますと、素材を回転させてまるい製品を造り出すことです。フライス盤は素材を固定して刃物が回転しながら切削していきますが、旋盤はこの逆です。どの作業でも同じであるとは思いますが、旋盤業務で注意している点もやはり精度です。たとえば、テーパー加工(傾斜をつける加工)の場合、雄(凸)・雌(凹)の接合面にガタやスキができたらお終いですから、削り面にムラが出ないよう、雄・雌の密着精度を高める加工に高度な技術と経験を必要とします。NC旋盤(数値制御装置の付いた旋盤)を使っていますから、細かい数値を入力してやれば自動的に削ってくれるのですが、最終的に高い製品精度を出すには、微調節が必要になり、そこに人間の技術的な感覚が要求されます。旋盤を始めてから1年、2年では、わたしもその精度の違いがわからなかったのですが、経験を積むほどに見えてきました。こうした経験から言えることは、自分が創ったものがカタチになって世の中の役に立つ喜びを若い人にも感じて欲しい、ということですね。若い人は、失敗を恐れずに、どんどんチャレンジすべきです。最近、世の中でも「教えてください」とすぐに助けを求める人が多いのですが、技術者の世界は先輩の背中を見て覚えろという、技術を盗みにいく世界です。マニュアルが欲しいという人もいますが、旋盤技術のコツからケースごとの感覚の違いまでマニュアルを作成したらものすごい分量になってしまい、かえって覚えるだけで大変なことになってしまいます。言葉を越えて身体で丸ごと覚えた方が深く理解できる場合が多いんです。職人仕事といわれるものは、言葉だけではなかなか教えられない部分がある…と言われるのは、積み重ねたひとつひとつの技術を総合的に組み合わせて初めて納得できるものだからです。それがわかるようになると、仕事が本当に面白くなってきます。若い人に伝えたいのは、「ものづくりは楽しい」ということです。うちに帰ると、子どもの成長を見るのが楽しみですが、子どもが夏休みの工作で何かを熱心に作っている姿を見ると、なんだか嬉しくなっちゃいますね。

製造2課 中村泰章

製造2課 中村泰章

現在は、ワイヤーカットで材料を切る仕事に携わっています。ワイヤーカットとは、真鍮製の細いワイヤーの電極が、通電する加工物にアーク放電をしながら切ったり削ったりする装置で、放電加工といわれる技術です。ドリルで穴を開ける場合と異なり、複雑な輪郭を切り出すことができるのが大きな特色です。ワイヤーの直径は0.3㎜ですので、繊細な加工が可能になり、ドリルで穴を開けると角にR形状が残ってしまいますが、ワイヤーカットですと、そこを直角にえぐることが可能になります。たとえば、金属の平板から日本列島の複雑な地形をきれいに刳り貫くことができる技術、と理解していただければいいかと思います。ワイヤーカットでは、電極のワイヤーを保持している上と下のガイドがズレないように、常にワイヤーが垂直になっているかどうかを見ながら作業を進めることが肝心です。ここにもっとも注意しています。切り落としたものが、ほんの少しでもガイド部のノズルに当たったりすると、微妙に垂直が狂うほど繊細です。意識的に電極の上下をズラしてワイヤーを斜めに設定すれば、テーパー加工も可能です。入社した当初はフライスを担当していたのですが、やがてベンチレース(卓上旋盤)も覚えて、現在はワイヤーカットのほかにNC旋盤とロボットアームを組み合わせた装置の制御やプログラミングなども担当しています。納期をにらんだ工程管理や作業手順の組み直しなども任されていますので、責任は重くなりましたが、仕事のなかに自分なりの楽しさを見つけながら、創造的な業務にしていくことを心掛けています。顧客第一主義で、納期厳守と高品質はナツメのものづくりの基本ですから、どんなご要望があっても全員で協力して確実な成果が出せるように、日ごろからコミュニケーションを良くしています。スタッフはどの機械でも操作できるように実践を重ねていますから、欠員ができてもリカバーできる態勢づくりを進めています。

製造2課 堀川雄太

製造2課 堀川雄太

入社してまだ1年とちょっとの新人です。工業系の高校で学んだのは旋盤系ですが、ナツメではほかにさまざまな機械を操作できるよう訓練されています。仕事はとても面白いです。学生時代は、製品精度はあまり気にせずに、加工できてカタチになれば楽しいというレベルでしたが、会社に入ってから精度を厳しく追究することが求められるようになり、自分も1度か2度、失敗がありましたが、加工に関しては、先輩方が非常に丁寧に指導してくださるので助かりました。プログラミングの基礎は学校でやってきているのですが、機械ごとに異なるので、応用力をつけるのが大変です。ものづくりは大好きだったので工業系の学校に入ったのですが、ものづくりといってもバラすのが好きで、機械の構造を知るのが面白いですね。趣味はナインゲージの鉄道模型です。将来的には、お客様から、自分を名指しで指名してもらえるような腕の立つ技術者になりたいです。学生時代との大きな違いは、やはりお客様のことを第一に考えるようになったということだと思います。

製造3課 課長代理 太田靖

製造3課 課長代理 太田靖

フライス盤を担当しています。フライスという工具で、金属に平面や溝などの切削加工を施す業務です。ナツメに入社して16年になりますが、ほかの工作機械も経験していますから、1つの製品を自分ひとりでワンストップで造ることもできます。さまざまな機械で仕事をさせてもらえたことは、製品の全体をあらゆる角度から検証できる目を養うことができたと思っています。ナツメの魅力は、高度な工作技術をもった職人気質のスタッフが多いうえ、難しい注文をいただいても、全員で工夫し合える風土があることでしょうか。若いスタッフには、教えられたことをまずはシンプルにできることから始めてもらいますが、初めのうちは失敗も多く、うまくいかないのは当然ですが、そこで投げ出さないで、続けたあとにやってくる仕事の面白みということをつかんでもらえるよう指導しています。自分は現場業務も持っていますが、品質管理にかかわる全体を見る立場になったので、作業の進捗状況や納期にも目配りしながら、やはり最高品質をキープできることがお客様の信頼感につながりますので、「ものづくりは品質第一」をモットーに日々工夫を重ねています。

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